洋書を「眠っている間」に読むための3ステップ:「カレーライス効果」を使え!

手持ちの英語力で洋書が読めるようになるためには、ちょっとしたコツを知る必要があります。今回はそれらのコツのうち最も使い勝手の良いもののひとつ、「カレーライス効果」を紹介します。これを使うと眠っている間の脳を上手に学習に活用できるようになります。

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【問題】十分な英語力はあるのに、コツがわからないから洋書が読めない

img_jirei1特に最初は洋書を読もうとしても、まったく英文が頭に入ってこないように感じるかもしれません。一語一句意味を理解しようと頑張ってもまったく理解できないように感じてしまうことは、初心者のうちはよくあることです。もちろん、英語力が最初からまったくないのなら、読めなくても仕方ないかもしれません。でも、高校や大学時代にある程度英語の勉強をした人で、たとえば英検準2級くらいをもっていたりするのなら、200ページ程度の洋書は読めてしまうものです。 では、どうして読めないのでしょうか?それは簡単に言うと、読むためのコツを知らないからです。

【解決策】眠っている間の脳みそを使え!

手持ちの英語力で洋書が読めるようになるためには、いくつかのちょっとしたコツが必要です。今回はそのうちのひとつを紹介します。それは「眠っている間の脳みそを使って読む」という方法です。ちょっと突拍子もない事を言っているように聞こえるかもしれませんが、いたって真面目です。

最近の研究では、脳の「海馬」という部分は眠っている間に、起きている間に集めた情報を処理し整理整頓しているということがわかっています。これを上手に利用するのです。起きている間にインプットした情報を、眠っている間に海馬が整理してくれるので、最初に情報をインプットした時には見つけられなかった「単語と単語、あるいは文と文のつながり」が、寝て起きてみると急に見つけられたりするのです。

(このあたりに関して詳しくは「ほぼ日新聞」の記事「ねむりと記憶」をお読みください。)

「寝ている間に読む」3ステップ

やり方は簡単。次の3ステップをやるだけです。

STEP1 眠る前に楽しい気持ちで洋書を読む。

「楽しい気持ちで」というのが大切です。入眠儀式として好きなハーブティーを飲みながら、ゆったりとした音楽をBGMにして楽しみます。わからないところは気にしないようにしましょう。わかるところがひとつでもふたつでもあればOK。あとは「ここはわかる」「ここはわからない」と「仕分け」だけでもできれば十分です。「わからないところがわかる」ことは「わかる」ステップの1つです。洋書の雰囲気を楽しんだら、有意義な時間を過ごしたことを確認し、笑顔でベッドに入りましょう。

STEP2 起きたらもう一度洋書を開く。

眠る前に読んだページをもう一度開いてみましょう。コーヒーを飲みながら20分位でもいいので朝に時間をとれれば最高です。良い睡眠がとれていると、前の日にはわからなかった場所が、急に理解できていたりすることがあります。体調などにもよるのですが、ソフィーでのこれまでの経験だと約6割位の人は1回目で何らかの効果を感じるようです。その他の4割の人も、何回か繰り返すうちに効果が感じられるようになっていきます。

STEP3 繰り返す。

STEP1&2を繰り返します。それによって、ボヤ〜っとしていたものにだんだんと焦点があたってはっきりしてくるような感じで理解ができるようになっていきます。

「カレーライス効果」は洋書を読む時以外でも応用できる

ソフィーではこの効果を、カレーを一晩寝かせると美味しくなっている、という現象になぞらえて、「カレーライス効果」と呼んでいます。この「カレーライス効果」の応用範囲は広く、たとえば仕事上で良いアイデアを生み出したいときなどにも使えます。
ソフィー内では、スタッフ同士がミーティングをしていて、アイデアが煮詰まった時などに、「これはちょっと『カレー』しよう」と言って、ひと晩アイデアを寝かせてから次の日にもう一度ミーティングをやり直す、というようなことはよくします。非常に効果的です。

また仕事の段取り力を向上させるのにも使えます。次の日の仕事の段取りを、前日の夜眠る前に確認しておくのです。前の日にインプットしておくことで、眠っている間に情報が整理され、次の日にスムースに仕事に取り掛かれたりします。

さらにテストなどで英単語や漢字などを暗記していくのにも役立ちます。眠る前にザッと英単語をインプットし、次の日の朝もう一度チェックする。これを繰り返すだけでストレスなく暗記がしやすくなります。

「カレーライス効果」のコツ

この「カレーライス効果」を使うタイミングは「イライラし始めた時」です。イライラすると、脳の前頭葉を非活性化させ、学習効果を下げてしまいます。また、洋書を読んでイライラした状態で眠ってしまうと、「洋書を読むとイライラする」という学習が海馬の中に記憶として刷り込まれていってしまいます。ですからコツは、イライラしたらすぐに学習をやめる、ということです。そして寝る。そうすれば眠っている間に脳みその「海馬」が働いてくれて、勝手に学習効果が上がりやすくなります。必ず洋書を開きさえすれば、何らかの情報は頭にインプットされますので、その脳の機能を信頼することです。
信頼して楽しむことさえできれば、効果は上がりやすくなります。眠っている間に、学習できるなんて、本当に素晴らしいですよね。ぜひ試してみて下さい。

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