世界を変えるために、今こそリーンスタートアップを学ぶべし!

世界には今多くの問題が山積みになっています。そしてそれらはあまりにも手強く、しかもたくさんありすぎて、私たちの手に負えないものになってしまっているような気もしてしまいます。でも、私たちはそう言った問題を解決する手法を知らないから途方に暮れているだけで、実はその手法を学びさえすれば、もしかすると世の中の問題の大半は自分たちの手で解決できてしまうのかもしれません。その「問題を解決する手法」を学ぶことができる “The Lean Startup”というベストセラーを今回は紹介していきます。

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新潟の地元大手スーパー原信と「原信ネットスーパー」

新潟県には「原信」というローカルスーパーマーケットがあります。先日、久しぶりに通りがかり にあった原信に寄りました。店内に入ると入り口に「原信ネットスーパー」の宣伝が入っているチ ラシが目に入りました。 「原信ネットスーパー」というのは、インターネットで朝10時までに注文すると新潟全域に配達 してくれる、というサービス。私は利用したことはあり ませんが、ここ数年ちょこちょここの広告を目にします。 数年続いているということは、ある程度の利用者はいるということなのでしょう。お年寄りの世帯とか、赤ちゃんがいる家庭とかはたしかに便利かもしれません。そうでなくても雪の降る時期なんかは助かるかもしれません。

20年前に見た、ある起業の番組

このネットスーパーの広告を見て、急に以前見たことがあるテレビ番組の内容を思い出しました。 それはたしか20年くらい前。若者たちが思いついた事業アイデアを番組で1週間位サポートしてそ の様子をレポートする、というようなものでした。その中では大学生くらいの若者数人が「買い物代行サービス」というのを企画、スーパーの入口にテーブルを置き、チラシを配り、電話で注文を受けて配達する、というサービスを事業にしようと試みていました。「老人や子育てで忙しい人たちなど、一定のニーズがあるだろう」というのが彼らの仮説でした。しかし、フタを開けてみると結果は惨敗。期間中にそのサービスを利用したのは1〜2人で、まったくの赤字に終わってしまいました。私は「そんなの利用する人いないだろう」という少し客観的な感じでテレビの中の彼らを眺めていました。「頑張ったけど残念だった」「しかし挑戦することは大切だ」そんな感じで番組は締め括られました。

今になって振り返ると・・・

ただ、今になって考えると彼らの起業アイデアは決して悪いものではなかったことがわかります。 ほぼ同じような考え方で事業運営されている「原信ネットスーパー」のようなものが、根を下ろし始めていたりするからです。またセブンイレブンをなど大手のコンビニでも周辺の家庭への宅配事業を進めたりしています。さらにこれからもっと高齢化が進めば「タクシーやバスを使うことを 考えれば、ちょっと手数料がかかっても家まで持ってきてもらったほうが楽だ」と考える人が増えていくだろう、ということは想像できます。まだまだ発展途上の事業ですが、今後はかなり利益を生む事業になってくるかもしれません。

そう考えると、彼らがわずか1週間で自分たちの試みを「失敗」と決め付けあきらめてしまったのはあまりにももったいなかった、と思えてきます。20年も前に成功していれば、今では相当のノ ウハウが溜まっていたことでしょう。であれば、例えば今から似たような取り組みをしようと試行錯誤しているスーパーやコンビニに、その蓄積されたノウハウを提供することができていたりし たかもしれません。潜在顧客のニーズについてや、その掘り起こし方や、マーケティングの仕方や、 データ分析の仕方や、配送システムの構築の仕方など、体系的なノウハウを提供し、莫大な利益を生むこともできていたかもしれません。そして、お年寄りたちや雪国で生活する私たちの生活をより便利に豊かにしていくことが、すでにできていたかもしれません。

なぜアイデアは良かったのに成功しなかったのか?

テレビ番組に出ていた若者たちは良いアイデアを持っていたのに、なぜ成功しなかったのでしょうか?なぜすぐに自分たちの取組みを失敗と判断しあきらめてしまったのでしょうか?それはその取組みを数値などを使って客観的に「検証」する仕組みを持っていなかったからではないか、 と思います。客観的に検証しなかったから、その成果を客観的に評価することが出来ずに、極めて主観的な印象に基づき、それを失敗と思い込んでしまったからです。

【問題点】何が起業やイノベーションの「正解」なのか、目に見えにくい

現代は様々な問題が溢れている時代です。このような中ではその問題の解決策となる新しい事業やイノベーションが求められているので、起業家やイノベーターたちにとっては非常に大きなチャ ンスの時代です。人々が問題と感じ困っていることの解決策となる価値を継続的に提供することが出来さえすれば、いくらでも新しい商品やサービス、事業を作り出せる時代である、と言っても過言ではないでしょう。

しかし、起業やイノベーションが難しいのは、なかなか「正解」が見えにくいところです。

目の前のひとつひとつの取組のうち何が正解で、何を継続して行うべきで、何を辞めるべきで、何が価値 を生み出していて、何が足を引っ張っているのか、などがすぐにはわかりにくいものです。ですから先程の若者たちの例のように、もしかしたらそのまま続けていれば大きな成功を収めたかもしれないものも、全くの失敗のように思えてしまって、せっかくのチャンスを失ってしまったりするのです。

では、こういったことを避けるにはどうしたらいいのでしょうか?

【解決策】リーンスタートアップを学ぶべし

51vN15YCJyL._SX329_BO1,204,203,200_そういう目に見えにくい起業やイノベーションの短期的な成否を明確にしていく手法がまさにこの リーンスタートアップです。リーンスタートアップでは事業や商品・サービスを最小限の単位に分 け、その価値を数値化して計測していきます。

たとえば顧客のリピート率や継続率を測り、過去と比較することで「商品の価値が上がっているのかどうか」を測ったり、既存の顧客の口コミ率を追いかけることで「そのサービスの成長率が上がっているのかどうか」を客観的に判断したりす ることができるようにします。 こういう数字をきちんと計測しておくことで、あくまで勘と経験に頼っていた起業やイノベーションの領域をより客観的で科学的なものにし、誰でも学習さえすれば身につけられるようにしたのが、このリーンスタートアップなのです。

新しい事業にはリスクが伴います。しかし、この手法を使っていけばリスクは最小限に抑えること が出来ます。しかも数値化して管理することで、組織内でも共通の認識を持って事業に取り組んで いくことがもっと可能になっていきます。別々の意見の人がバラバラな認識のもとにお互いの主張を無駄に戦わせ合いながら、その政治的駆け引きの中で疲弊していく、というような無駄な力をあまり使わなくても済むようになっていくのです。そして意味のある形で組織として力を合わせ、 良い商品やサービスを次から次へと開発することが可能になっていくのです。

“The Lean Startup”は発売以来全米で大ベストセラーに

このリーンスタートアップの手法を具体的に説明した “The Lean Startup”は2011年にアメリカで発売されて以来大ベストセラーになり、その手法を会社に取り入れることは現在では大きなムーブメントのひとつとなっているほどです。Amazon.comでの読者評価を見れば、その内容がかなり質の高いものであることを容易に想像することができるはずです。

リーンスタートアップで学べること

リーンスタートアップではたとえば次のようなことを学ぶことできます。

  • 資金がなくても起業を成功させるには?
  • 成功した起業家たちが行っていた知られざる成功のための手法とは? 
  • これまで直感などに頼っていた商品開発や起業のプロセスをマネジメントする方法 
  • 商品開発の時間を大幅に短縮する方法 
  • ヒット商品の開発コストを最低限に抑えるための方法 
  • 短時間低予算で画期的な商品やサービスを生み出す方法
  • 商品開発の方向転換の時期を的確に見極めるための方法
  • 商品やサービスの開発の良し悪しを的確に計測するための方法

リーンスタートアップを特にお勧めする人

リーンスタートアップは特に次のような方に強くお勧めいたします。

  • 起業したばかりの人 
  • これから起業したいと考えている人 
  • 現在勤めている会社で新しい商品開発やサービス開発を任されている人 
  • 中間管理職者 
  • 会社内の無駄なプロセスをできるだけ少なくしていきたいと考えている人 
  • 社内でのシステム開発などを担当している人 
  • イノベーティブな商品やサービスを次から次へと開発したいと考えている人 
  • 社会的な変革を起こす活動をしたいと考えている人 
  • とにかく新しいアイデアを次から次へと生み出して、まわりの人をどんどんハッピーにしていきたい人

まとめ ぜひ一緒に学んで実践し、世界を変えていこう!

ソフィーでもこのリーンスタートアップの手法を取り入れていきたいと考えています。そしてそれ により今後さらに良いサービスや企画を提供していけるようになると思っています。 ぜひ、興味がある方はこの本読んでみてください。そして実践していきましょう。また、お互いに実践してみた結果などを情報交換し、一緒に成長し、少しずつ世界を変えていきましょう。

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