語学研修は意味があるか?:語学研修の是非を考えてみる

前回の記事で「語学留学」や「語学研修」というものをあまりおススメしない理由をお話ししました。

これをさらに少し違う角度から考察してみましょう。

私たちが、これから英語を学ぼうと言う人たちに
「はたしてこの学習法で効果があるだろうか?」を考え判断する時の方法として、非常におススメしている方法がひとつあります。

それは
「その方法を外国人が日本語を学ぶ時に使ったらどうなるだろうか?」
「その方法で外国人が日本語を学んだら、日本語を話し、使えるようになるだろうか?」

と自問してみる、という方法です。

たいていはこの方法で考察すると、その学習法が理にかなったものなのか、それとも理にかなわないものなのかを客観的に冷静に判断できるようです。

この方法で、語学研修についても考えてみましょう。

ある中国の人が日本に来て東京にある日本語学校に通ったとします。そこにはたくさんの中国から日本語を学びにきている人がいて、クラス以外は中国からの仲間たちと時間の大半を過ごしてしまったとします。この人は、いつか日本語が話せたり使えたりするようになるでしょうか?

おそらく買い物する程度の日本語はすぐに話せるようになるでしょう。でも、それ以上にはなかなかならない。それはだいたい想像がつくはずです。

日本人から見たら、「せっかく日本にいるのに、日本の人たちや日本の文化にもっと触れたりしないで、もったいない」と感じるんじゃないでしょうか?

「日本にいるのに、同じ国の人たちだけで集まっているなんて、ちょっと残念」と思うんじゃないでしょうか?

「だったら、何か日本の文化の中で興味のあるものを探し、それにどっぷり浸ればいいのに」と思うんじゃないでしょうか?

たとえば、日本語学校に通う代わりに、
日本の相撲が好きだったら、日本に来る前には大横綱・白鵬のブログを読みまくっておいたり、稽古部屋のおかみさんブログをマメにチェックしてみたりして準備をしておき、日本に来たら初日から千秋楽まで毎日大相撲を見に行きまくったり、朝に相撲部屋の稽古の見学に行きまくったり(稽古がある日は見学歓迎の相撲部屋もあります)、千秋楽祝賀会(というものが相撲部屋によってはあって誰でも参加できたりするようです)へ行ってみたり、元力士がやっているちゃんこの店をハシゴしまくってみたり、大相撲会場では相撲ファンたちと語り合ってみたり、というようなことをすれば、すごくいいと思います。
もっと安上がりで、もっと効果的で、もっと楽しく、もっと意味があって、日本語の習得にも圧倒的に効果があります。

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それとまったく同じことが、日本人が英語を身につけようとする時にも(もしくは他の外国語にも)言えるわけなのです。

前のブログでも言ったことを繰り返しますが、語学研修の目的が修学旅行の延長程度のものであり、外国の雰囲気を味わいながらとりあえず楽しく過ごせればいいのなら、語学習得なんてそれほど重要な目的なのではないのなら、いいんだと思います。

でも、本当に語学を身につけたいと思うなら、それはすごくもったいないと思うのです

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