Leadership and the New Scienceをこれから読む方へ

WEBキャンパスで4月から読む本”Leadership and the New Science“by Margaret Wheatleyを選んだ理由、概要、そしてこれから読む方へ三浦哲からのメッセージ

  1. 最初の出会い
  2. 美しい文
  3. じわじわと
  4. クエスチョンにみちびかれて
  5. たくさんのヒント
  6. これからWEBキャンパスで読む方へ

最初の出会い

マーガレット・ウィートリーは何度か著書を読んだり、文章を読んだりしてしばらく気になっていた著者のひとりでした。そして今回満を持して彼女の本を取り上げることにしました。そのいきさつを少し説明しますね。

CTIというコーチングの団体のホームページで創立者がインスピレーションを受けた本として”Leadership and the New Science”をあげていたのを見たのがこの本とマーガレット・ウィートリーを知ることになった最初のきっかけ。ちょうど今から一年くらい前のことです。

そこには、Leadership、Organizationなど私に興味のあるキーワードについて彼女の本からインスピレーションを受けた、とあったので、読んでみることにしたんです。でも、複雑系がどうとか、量子力学がどうとか・・・書いてあることがさっぱり(笑)。結局、少し読んだだけで、そのまま放っておくことになりました。

美しい文

次に出会ったのは「行動するための洋書塾」のヒントを探していたとき。その時に”The World Cafe“という本を見つけたのですが、その前文がマーガレット・ウィートリーのものでした。前文だから短い文章なのですが、それがすごくよかった。どうよかったかというと、やさしく、平易な言葉で書かれているのに、力強い。詩のように美しいのに、理路整然としている。こんな文章に出会ったのは初めてでした。この人はどんな人なんだろう。こんな文章を書くのはどんな人なんだろう。そんな興味がわき上がってきました。

じわじわと

そう思って誰が書いたか見てみると、そこにはマーガレット・ウィートリーの名が。そこでまずは邦訳されているものを読もうと思い、彼女の別の著書『もしも、あなたの言葉が世界を変えるとしたら』を読みました。(原著:”Turning to One Another”)

これも、はじめに読んだ時にはあまり実践的ではないな、くらいの感想だったのですが、”The World Cafe“の前文で見せたような美しい文章で、今、家族や社会、国、世界で必要なのは「聴く」、「耳を傾ける」ことだと主張していて、じわじわとその力強さ、洞察の鋭さを感じるようになってきました。

クエスチョンにみちびかれて

この混沌とした時代にあってリーダーシップ、組織論などに関しては誰もが頭を悩ませています。私も会社を経営するうえで迷うことがたくさんありました。だからそういうことに関する本は日本語、英語のものを問わずたくさん読みました。間違いなく、どの会社においても必要なもの。でも、これだ!という答えをはっきりと示してくれるものはなかなかありませんでした。

数年前に「優秀」とされていた企業がどれだけ残っているか、「優秀」であり続けているのか。変化が激しい時代には、一度作った組織がそのまま機能し続けるのは難しく、作り上げた時から崩壊が始まってしまうようなことが起こっている。また組織の形態についても、トップがいて、その下に部下がいて、というような図式は、今はほとんど機能しない。

もっと自由な関係性をもった組織、そしてそうした組織に合った組織論がないものか、というクエスチョンを持って再びこの本に出会ったのです。

たくさんのヒント

ソフィーのチームスタッフにこの本どうかな、と聞いてみた時、私が初めて読んだ時のように、「量子力学?ニュートン?カオス?何だか難しそうだなー」、という反応がほとんどでした。ところが、大学で物理を専攻していた棚橋くんは興奮気味に、「この本すごい!」と言ってくれました。私自身も、量子力学とはだぶんこのようなもの、ということが本を読んだりして、わかりかけてきて、何かこの本とソフィーとの関連が見えてきていた時でした。

量子力学などの科学的なこととリーダーシップ、組織などの関連性がもっとよく見えた棚橋くんも今、ソフィーに必要なことがつまっている、そう感じたようです。ソフィーのチーム中でマスターマインディングをしてあらためて読んでみると、あらゆる人間関係をよくするヒントがたくさん書かれていることがわかりました。会社の組織だけでなく、家族や地域のコミュニティーなど人のまとまりがあるところだったらどんなところにも応用できる、そんな本だと思います。

これからWEBキャンパスで読む方へ

これからWEBキャンパスで読まれる方も特に「理系」でない方ははじめは私やソフィーのスタッフのように出てくる単語や説明を読んで、難しい、と感じるかもしれません。でも、ソフィーのスタッフや他の塾生の方とマスターマインディングしながら読むことでこの本の本当のよさがわかってくると思います。そして一度わかってしまえば極めてシンプル。誰でも簡単に応用できるようになります。

今回は、4月からこの本の範囲が始まる「いっしょに読もう!」のコーナーでマスターマインディングしたり、新コーナー「サイエンスビギナーのためのニューサイエンス講座」でこの本に出てくる量子力学をはじめとする科学についての質問、疑問を棚橋くんにレクチャーしてもらったりとさらに楽しく学べる企画を検討しています。

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