大学受験の英語の長文問題は対策が難しいもののひとつです。しかし英語長文対策として早目に洋書を読んでおくと、点数が上がりやすくなります。ここではそれによって英語の成績が劇的に向上したKくんの事例を取り上げて紹介します。
【内容の要約】
- [問題点]文法対策や単語の暗記だけでは、大学センター入試の英語は点数が上がらない
- [解決策]早い段階で長文の英語を読み、長文自体に慣れていく
- [具体策]センター英語対策としてビジネス洋書を読め!
- [事例]ビジネス洋書を中心にセンター英語対策をし大幅に英語力をアップしたKくん
- [まとめ]ビジネス洋書でセンター試験英語長文対策をすると高校生に起こること
1.[問題点]文法対策や単語の暗記だけでは、大学センター入試の英語は点数が上がらない
大学入試センター試験の英語は文法問題をコツコツ積み上げたり、単語を地道に覚えたりしただけではなかなか点数が上がりません。
なぜならセンター試験では英語長文にかなりの配点があり、長文自体に早めになれていかないと、点数が上がっていかないからです。
多くの人は「まだ文法がよくわかっていないから」とか「単語力がないから」と言って、なかなか長文問題に取り組もうとしません。そして結局文法問題や単語の暗記に時間を費やしただけで、本格的に英語長文に取り組めないままセンター入試本番を迎えてしまったりします。
これでは良い点数はなかなかとれません。
2.[解決策]早い段階で長文の英語を読み、長文自体に慣れていく
センター入試の英語など、英語の長文問題ができるようになるためのコツは、「早めに英語長文に取り組んで慣れる」ということです。
文法や単語などの力がまだついていなくても構いません。
まず、長文を読んで慣れていくのです。
英語長文に慣れていくと、文法や単語が覚えやすくなっていきます。
「英文法・英単語→英語長文」ではなく、
「英語長文→英文法・英単語」という流れにしていった方が、ずっと効率的で楽なのです。
3.[具体策]センター英語対策としてビジネス洋書を読め!
英語の長文に慣れていくためにはビジネス洋書は理想的です。
もちろんセンター試験の問題集に出てくる長文問題にも取り組む必要はあります。センター試験の出題形式に慣れていくためです。
でも、試験の英文って正直言ってあまり面白いものではありません。
面白くないものはなかなかたくさん読めませんし、無理してたくさん読んだとしても集中できません。集中できなければ頭の中に入っていきません。だからセンター英語対策用の問題集のようなものを読んでも英語力はなかなか上がっていきません。
ところがビジネス洋書の面白いものは、本当に面白いです。日本語の本にはない、面白さと実用性と、説得力があります。面白いものは、つまらないものより、当然、たくさん読みやすいものです。
最初、読み方がわからなくて不慣れなうちは戸惑うでしょうが、このブログに書かれているようなことを参考にしてコツがわかってくると、英語のセンスがある高校生なら1ヶ月ほどで慣れてきます。
英語が苦手な人でも3ヶ月くらい本格的に取り組むとかなり読めるようになってきます。
ビジネス洋書が読めるようになると、センター試験の英語長文なんて子供騙しのように見えてきます。このやり方でセンター試験英語の点数を飛躍的に伸ばした生徒は少なくありません。
4.[事例]ビジネス洋書を中心にセンター英語対策をし大幅に英語力をアップしたKくん
私が経営しているソフィー学習塾で洋書を読んでいく方法に取り組み英語力を飛躍的に伸ばした高校生はたくさんいますが、中でも特に印象に残っている生徒の事例をここでは紹介しましょう。
彼の名前を仮にKくんとしましょう。
◎Kくんは英語が超苦手科目
Kくんは中3の時からソフィー学習塾に通い始めました。正直言うと勉強はそれほど得意、というタイプではなく、中でも英語は苦手な方でした。とりあえずソフィー学習塾の半年ほどの取り組みで、他の教科の成績を伸ばし志望高校には無事合格しました。でも、高校に入っても英語の成績はなかなか伸びませんでした。興味がないから真剣に取り組めなかった、というのが本当のところかもしれません。1年生のときは赤点を何回か取っていました。
◎Kくんが高2の後半に英語に興味を持ち始める
ところが2年生の後半になって、英語に急に興味を持ち始めました。きっかけは何だったのかよくわかりません。本人が将来の進路を考えた結果、英語が必要だ、と思ったのかもしれません。
とにかく本人が英語を頑張りたい、と言い出し、英語の勉強に塾での時間を多く費やすようになっていきました。
Kくんが2年生の2学期にさしかかった時、私たちは「洋書を読んで英語力を上げていく」という「『読む』からはじめる英会話スクール ソフィー・ジ・アカデミー」の実験的な教室をソフィー学習塾のとなりの空き部屋を借りて開始することになりました。
当時はあくまで社会人対象のものでしたが、「英語が得意な高校生ならできるようになるかもしれない」ということで、ソフィー学習塾の高校生向けに体験クラスのお知らせを配りました。
するとこのKくんが「やってみたい」と言ってきたのです。
正直、「Kくんの英語力では難しいのでは・・・」というのがスタッフの印象でしたが、体験してみて考えれば良いよね、という軽い気持ちで受講をOKしました。
そして1回の体験クラスの結果、「とりあえず1ヶ月だけ続けてみよう」ということになったのです。
◎ビジネス洋書を読むことでKくんが急成長
1ヶ月で1冊の洋書が読み終わった時、彼の中の何かのスイッチがONになったようでした。一冊の洋書を読み終えたという自信からなのでしょうか。英語に対する取り組みがこれまで以上に本格的になっていきました。
そしてまずは学校の英語の成績が確実に伸び始めました。
ただ、それよりも驚いたのは、ビジネス洋書を読んでいくことで、英語の点数が上がっただけでなく、彼の学校や家庭での生活態度に大きな変化が見られた点です。
それまで部屋でダラダラとテレビを見てしまうことが多かったそうなのですが、「受験まではテレビを見ない」と意を決し、自分の部屋のテレビを物置にしまい込み、夜はずっと机に向かって勉強している、とKくんのお母さんは報告してくれました。
その結果、英語だけではなく、その他の教科の学校の成績も引きずられるように上がっていったのです。
2年の末に受けたセンター試験の模試は英語200点満点中70点〜80点ほどでしたが、1年後のセンター試験では150点ほどまで伸ばし、志望校に合格しました。
この成長にはスタッフもかなり驚きました。
英語の成績が短期間で伸びたことも驚きだったのですが、それよりもKくんの人間的な成長があきらかに見えたことにビックリしました。
もともとどちらかというとあまりしゃべらない静かな感じの生徒でしたが、高校を卒業する時には、前を向いてハキハキと考えや意見が言える立派な青年、という印象に変わっていました。
5.[まとめ]ビジネス洋書でセンター試験英語長文対策をすると高校生に起こること
これは、かなり大きく成績も人間的にも変化が起こった事例ですが、このような大きな変化が起こった高校生は他にもたくさんいます。
高校生はまだ頭が柔軟なので、一度私たちが教えている洋書の読み方が理解できてしまうと、一気に英語に対する取り組み方が変わってくるケースが多いです。
また面白いのは英語の成績が伸びるだけでなく、他の教科もつられて伸びるケースが多いことや、特に対策していないのにリスニング力も上がっていく、というような点です。
さきほどのKくんは高校のリスニングテストで前は下から何番目、という感じだったのに、ある時学年で1番の点数を取ってしまい、本人もびっくりしていたほどでした。
さらには、自分に自信が出てくるからか、生活態度なども変わってくることが多いのも興味深い点です。明らかに短期間に目の輝きが変わったり、凛とした感じになってきたりする高校生は多いです。
もちろん、万人に向くわけではないと思います。そもそも「ビジネス洋書」の内容自体に興味が持てなければ、なかなか成果は出ません。ビジネス書というジャンル自体に興味が持てない高校生も当然いるわけで、そのタイプに当てはまる場合は別のアプローチを考えた方が良いでしょう。
しかし、もし手にした洋書の内容に少しでも興味が持てるようなら、この方法は試してみる価値の十分にある方法だと思います。