「洋書を読みはじめたけど行き詰まってしまった人」がするべき、たった1つのこと

このブログで書かれていることなどを参考にしながら洋書を読むことに挑戦し始めたのに途中で壁にぶつかり挫折してしまう人も中にはいるでしょう。その壁を乗り越えるにはいくつかのちょっとしたコツを知ることが大切です。今回は中でももっとも重要なものをひとつ紹介します。

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【内容の要約】

  1. 【問題点】まじめに英語を勉強してきた人ほどボトムアップの習慣が抜けにくい
  2. 【解決策】洋書が読めるようになることを「一旦」あきらめるべし
  3. 「一旦」あきらめることによって、逆に洋書が読めるようになる3つの理由

【問題点】まじめに英語を勉強してきた人ほどボトムアップの習慣が抜けにくい

このブログで紹介している方法などを使って洋書を読み始め、すぐにその手法に馴染んでしまう人もいます。しかし一方でなかなかその手法に馴染めずに、最初の数ヶ月間、試行錯誤を繰り返す人 もいます。多くの生徒たちを見ていると、これまでまじめに英語学習に取り組んできた人ほど、ここで紹介されているような手法に慣れるまでに時間がかかる傾向にあるようです。

このブログ内で紹介しているソフィーの手法は学校の授業で教えられているような方法とは正反対の手法です。ですから、従来の「ボトムアップ」の手法が染み付いてしまっていればいるほど、頭では「トップダウン」の手法を理解していて、そのやり方で洋書を読もうと考えていても、いざ英文を目の前にすると、条件反射的にボトムアップの読み方になってしまうようです。もし、このような状態に陥ってしまっているとしたら、一体どうしたらいいのでしょうか?刷り 込まれているボトムアップの条件付けから抜け出し、トップダウンで読むように習慣づけをしていくためにはどうしたらいいのでしょうか?

※「ボトムアップ」「トップダウン」という言葉についてのより詳しい説明は次のブログ記事をお読みください。『洋書の読み方:洋書初心者向け読み方のコツ【ザ・9ステップ】

【解決策】洋書が読めるようになることを「一旦」あきらめるべし

ボトムアップの条件付けを取り除くために、ソフィーでおすすめしている方法は「洋書を読むことを一旦あきらめる」という方法です。そして「洋書からヒントを得て行動をすることのみに目的を絞る」というやり方です。

「いや、自分は洋書が読めるようになりたいんだ」「だから、洋書を読むことをあきらめるのはイヤだ」と言いたくなるかもしれません。でも、安心してください。ここではあくまで「一旦」あきらめるだけです。意図的にあえて一度あきらめることで、変な固執がなくなり、その結果として「洋書が読めるようになる」とか「英語力が上がる」ということが逆に起こりやすくなってくるのです。

「一旦」あきらめることによって、逆に洋書が読めるようになる3つの理由

「洋書を読むことを一旦あきらめる」ということをして「洋書からヒントを得て行動をすることのみに目的を絞る」ということを行っていくと、トップダウンが習慣化し英語力が飛躍的にアップしやすくな る理由には主に3つの理由があります。

理由1 全体像をまずつかもうとするようになる 

「トップダウン」の方法で読むには「全体像→部分」という流れで理解を進める必要があります。しかし、「ボトムアップ」の方法が習慣化してしまっていると、英語を目にした瞬間に「部分→全体」という流れで理解しようと無意識にし始めてしまいます。

ところが「行動のヒント」を探すようになるとこれが変わってきます。 文章を1ページ目から時間をかけて読んでいっても、なかなか洋書から問題解決の行動へのヒントは見つかりません。そこで多くの人は、目次などを見て、本の構成の全体像を眺め、そのヒントが潜んでい そうなところに「あたり」をつけるところから始めようとするようになるのです。これはまるで「宝の 地図」を開いて、そのエリアの全体像をつかみ、宝がありそうな場所の「あたり」をつけてからその場 所へ行ってみる、という流れと似ています。「行動のヒント」という「宝」を意識することによって、 このようなトップダウンの基本的な習慣が身につきやすくなるのです。

理由2 「わかるところ」に意識が向くようになる

従来の教育で身についている「ボトムアップ」の英語学習法は「わからないところ」に注目し、「わからないところ」を「わかるところ」へ変えていこうとするやり方です。それに対し「トップダウン」の 英語学習法は最初から「わかるところ」に注目し、「わかるところ」の理解を深めていくことで、その部分を「足がかり」として自然に「わからないところ」が「わかるところ」に変わっていく、というやり方です。

ボトムアップの手法が染み付いてしまっていると、英語を目にすると条件反射的に「わからないところ」へどうしても意識が行ってしまいます。 ところが、「行動のヒント」を探すようになるとこれが変わってきます。「わからないところ」をいく ら頑張って読んでも、「行動のヒント」は見つかりません。ですから「わかるところ」に意識を向け、 そこを深堀りして「行動のヒント」を見つけようという意識が働くようになるのです。

理由3 「意味記憶」から「エピソード記憶」に変わっていく

「行動をする」ということで、大量の情報を記憶するのに適している 「エピソード記憶」を活用できるように変化していきます。 従来私たちが学校教育などで習う学習法は「意味記憶」と呼ばれる記憶のパターンを利用したものです。個別の単語などを別々に覚えたり、別々に理解したりしていくやり方です。

「意味記憶」と「エピソード記憶」に関してより詳しくはこちらをお読みください。『意味記憶とエピソード記憶

このやり方は例えて見るならば、木の葉っぱを集めただけで、枝や幹 がないようなものです。葉を支えるものがないので、記憶が定着しにくく、時間が経つとバラバラと落ちてなくなりやすいのです。 それをイメージとして表すとこんな感じです。

知識の図

 英語がある程度できるようになるために覚えなければいけない英単語 は2万語とも3万語とも言われています。従来の「意味記憶」では、 それだけの量の記憶を脳にとどめておくことはなかなかできません。

それに対し「エピソード記憶」は体験や感情を伴った記憶です。体験や感情が木の枝や幹のような役割をするので記憶が定着しやすく、大量の情報を無理なく覚えていることができるようになります。 それをイメージで表すとこんな感じです。

経験の図

(イラストはアメリカの漫画家Hugh MacLeod氏のもの。https:// twitter.com/gapingvoid/statuses/423952995240648704

 

このように洋書から読んだ内容をヒントとして行動し「エピソード記憶」を利用するようになることで、圧倒的に読んだ英語が頭に定着しやすくなります。その結果、これまでとはケタ違いの情報量を自然に頭に インプットできるようになり、英語力が急速に高まりやすくなっていきます。そして洋書がどんどん読めるようになる、という状態になっていきます。

「洋書を読むことを一旦あきらめる」ということは最初はかなり勇気のいることかもしれません。また「洋書からヒントを得て行動をすることのみに目的を絞る」ということは非常に時間がかかり面倒なことのように思えるかもしれません。 しかし実践してみるとこの方法が非常に効果的であり、長期的には多大な時間を節約する結果となる、ということがわかると思います。 ぜひ試してみてください。