よいときも、そうでないときも 自分らしく毎日を続けるヒント

こんにちは、ソフィー・ジ・アカデミーの三浦友美です。人は誰でも、よいときも、そうでないときもあります。調子がよくないときは、自分らしく力を発揮することがむずかしくなります。今回はソフィーの洋書テキスト”Keep Going”から、自分らしく毎日を続けていくためのヒントを紹介します。

誰にでも行き詰まるときってあります。一生懸命やろうと思えば思うほど、いいものを作ろうと思えば思うほど、頭がうまく動かなかったり体がうまく動かなかったり。それでも生きている限り次の日はやってきます。オースティン・クレオンの3作目”Keep Going ー Stay Creative in Good Times and Bad”(2019年4月リリース)は、そんなふうに毎日を続けるのが大変になった時に読む本としておすすめしたい1冊です。

ソフィーの洋書テキストにもなっているオースティンの前2作、 ”Steal like an Artist”と”Show Your Work” はどちらも内容が素晴らしく、生徒からも人気があったので、”Keep Going”もアマゾンの予約段階からソフィーのテキストにすることを決めていました。何より今回は、サブタイトルの ‘Stay Creative in Good Times and Bad’ がとても印象的で、個人的にも読みたいと思い、また生徒にもぜひ読んでほしいと思いました。

このサブタイトルを見た時、「楽しいことを仕事にできていて自分は本当にラッキーだ」と言っていた著者のオースティンでさえも’bad times’がある、考えてみれば当たり前のことなのですが、改めてそうなのか、と思い、より著者との距離が近づいた感じがしました。そしてポジティブなことばかりではない日々を過ごす中で私達が毎日をつなぐヒントが得られるのではないかと思ったのです。

自分らしく毎日を続けるヒントをくれる言葉

Establish a Daily Routine.  〜習慣を作ろう〜

“We have so little control over our lives. The only thing we can really control is what we spend our days on.”(p.11)

自分の人生でコントロールできることはそれほど多くはないけど、今日一日をどう過ごすかは自分でコントロールすることができる。コントロールできるところは自分で選んで決めることができます。

どんな一日が過ごせたら、次の日につなげていくことができるでしょうか。

“There is no perfect, universal routine for creative work.”(p.17)

“Keep Going”の中に紹介されている”Daily Rituals: How Artists Work”(邦訳『天才たちの日課』)には、小説家や画家、音楽家、哲学者などの習慣が紹介されています。

早朝から仕事をする人もいれば、世間が寝静まった後の真夜中に活動をする人、ベッドの上で執筆活動をする人、キッチンテーブルで小説を書く人、1日30分しか書かない人、1日13時間書斎にこもる人、豪華な食事をする人、質素な食事をする人、無音状態を好む人、音楽がなければ仕事ができない人、などなど、千差万別。だれにでも合う習慣、のようなものはないんだということがよくわかります。

あなたも自分によさそう!思うことをいろいろ試してみて、自分なりのルーティン・習慣を作っていきましょう。自分は何をすると(もしくはしないと)いい状態を保てるのか、いい状態に戻りやすくなるのかを研究してみましょう。ウイークデーはバタバタしていてむずかしいという場合は、休みの日などに「理想の一日」や「理想の半日」、「理想の朝」のような感じで実験してみるのもいいかもしれません。

Make Lists.  〜リストを作ろう〜  

“The simple thing I’ve learned over the years is just to have a starting point and once you have a starting point the work seems to make itself.”(p.23)

やりたいこと、やりたいと思っていたけどやってないこと、なんでも書き出してみましょう。英語を使ってやりたいこと、次の休みにやってみたいこと、今年後半の目標、数年かけての人生のプロジェクト・・・。

物事を始める時にはエネルギーが必要です。リストを作っておくことで、何をするか迷わなくてすみ、自分の大切なことや好きなことが確認でき、前に進む力になります。

リストの代表格といえば、To-Do=やることリストですが、”Keep Going”には、これだけでなく、いろいろなリストが紹介されています。たとえば読みたい本のTo-Readリスト。聴きたい音楽のTo-Listenリストや、観たい映画のTo-Watchリスト。これから学びたいことのTo-Learnリスト。そのほか Someday/Maybe、Won’t Do、How-To-Be-Happy、Pros-and-Consリストなど。あなたはどんなリストを作りますか?

Make Gifts.  〜ギフトを作ろう〜  

“Where There is no Gift, There is no Art.”(p.93)

何かを続けていると飽きてしまったり、つまらなくなってしまったりする時が訪れます。はじめはとにかく楽しかったのに、壁にぶち当たって、自分には才能や能力がないんだ、と思って落ち込むこともあるでしょう。また、「自分のため」だと思っていたことでさえ、実は、誰だかわからない、マーケットだとか世間の評価だとか、そうしたもののために続けるようになっていくと純粋な喜びや楽しさが失われてしまいます。

そんな時は誰かのためのgift(贈り物)を作りましょう。仕事の中でgiftの要素を入れてやってみるとしたら、どんなことができるでしょうか。英語のgiftには天賦の才能という意味もあります。あなたのgift(才能)を使って誰かのためにgift(贈り物)を作りましょう。

You Have Everything You Need.  〜あなたに必要なものはすべてそろっている〜  

“Really great artists are able to find magic in the mundane.”(p.102)

物や環境、人、時間、そのほか何かが足りないから、自分のやりたいこと、好きなことができない、というのは本当でしょうか。今の環境でできることはないでしょうか。アーティストも物理的、精神的に恵まれた状態にある人ばかりではありませんでした。

アガサ・クリスティーは食事と食事の合間の時間に食卓テーブルで数々のミステリーを書いていたそうですし、自分に合ったテーブルがなくて冷蔵庫の上で執筆していた作家がいたり、持病や不眠症に悩まされて薬に頼っていたアーティストも少なくありません。モーツァルトは超多忙で、父親宛の手紙には「とにかく、あまりにもたくさんやるべきことがあって、なにがなんだかわからなくなってしまうことがよくあります」と書いてあったそうです。

自分の人生に必要なものはそろっているとしたら、どんなことができるか。そんな質問を自分にしてみると、「できる」方向に進める可能性が出てくるかもしれません。

今の環境でやりたいことが全部できるとしたらあなたは何をしますか?

お花屋さんになりたかった人は職場にお花を飾ってみる、カフェで働きたかった人は、家族においしい紅茶や体にいいハーブティーをセレクトしていれてあげる、毎朝ていねいにコーヒーをいれる、絵が好きな人はペンとスケッチブックを用意して身近なものを描いてみるなど、できそうなところからやってみましょう。自分にできること、好きなことを見つける力も高まってくるかもしれません。

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心や体の調子が悪いときには、そうした状態のときにしか気づかないこと、見えないことがあります。また、問題点や知りたいことがはっきりして学びやすい状態が作れることも。よくない状態だなと感じたときには、よい状態をつくるための時間ととらえて、自分らしく毎日を続けるルーティンを考えてみてはいかがでしょうか。そして、”Keep Going”もぜひ読んでみてください。

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